愛機PENTAX Qを使いこなす3:便利な操作を学ぶ

愛機PENTAX Qを使いこなす3:便利な操作を学ぶ

愛機PENTAX Qを使いこなす1では「光と色の基本を学ぶ」として、視覚的な面に主眼を置いて学習してみましたが、今回は「便利な操作」と題して、機械的な操作に主眼を置いて学んでみたいと思います。

ドライブモード

話はいきなり逸れますが、昔REBECCAという音楽グループに「Motor Drive」という歌がありました。

言葉の意味そのままならば「電子駆動の」(モーターで駆動する)という意味になりますから、現代ならさしずめ「電気自動車」や「電動バイク」、「ドローン」等の事を意味しそうですが、当時はフィルム式一眼レフ(銀塩カメラ)の自動巻き上げ装置を差して言うことが多かったように思います。

学校の運動会や学園祭などに撮影に入る写真屋さんが、モータードライブと大きなフラッシュをつけたカメラをカッコよく、でも少し重たそうに抱えていたものでした。

現代のデジカメではフィルムの巻き上げが不要なので、電子的に連続撮影(連写)をします。フィルム時代の名残でしょうか、レリーズモード(リリース:シャッターを開く)と言ったりもするようです。
メーカの仕様書でも、PENTAXでは「ドライブ」項目に、Nikonでは「レリーズ機能」項目として書かれています。

愛機PENTAX Qでは連続撮影が5コマ/秒で5コマまで、1.5コマ/秒で100コマまで。ドライブモード全体は連続撮影、セルフタイマー(2秒、10秒)、リモコン(即、3秒後、連続)、オートブラケット(3コマ、リモコン)となっています。

「オートブラケット」は使用説明書の方では「露出ブラケット」となっているので見つけづらいのです。

巻末の逆引きでたどり着くと「露出が異なる画像を連続して3枚撮影できます」(使用説明書80ページ)となっていて「1回のレリーズで3枚の画像が保存されます」とのこと。

モニターで確認しながら撮影し、念のためにその場で再生モードで確認しても、後でパソコンで見てみたら明るすぎた/暗すぎたということもあります。拘りたい場合にはこのモードで撮影しておけば、多少のズレはカバーしてくれます。

その他のドライブモード

敢えてドライブモードという言葉をもう一度使いましたが、仕様書では(その他の)「撮影機能」という別項目になっているものの中に、シャッターに関係する項目が3つあります。
・HDR撮影
・多重露出
・インターバル(撮影)
です。順に確認していきます。

・HDR撮影

「ハイダイナミックレンジ撮影」のことだそうですが、まだ「ダイナミック(動的)とはなんじゃらほい?」となってしまいますが、前項で学習した「オートブラケットモード」のように標準と、露出のプラス(+3EV)とマイナス(-3EV)を3コマ連続で撮影し、そのうえで合成するものだそうです。

今ではスマホのカメラ機能の中にも取り入れられていますが、チョットだけシャッターをスローで切ったような感じで時間がかかります。

対象のコントラスト(明暗の対比/差)が大きい時に、白っぽくなってしまう「白とび」や黒くつぶれてしまう「黒つぶれ」を不正で「諧調幅を広げて」撮れます。
街の夜景などに使えます。

PENTAX Qでは、背面のINFOボタンで表示されるタイルメニューからか、上面のモードダイヤルからSCNモードで表示されるタイルメニューで選ぶ事ができます。

・多重露出

この機能は言葉から比較的イメージしやすいと思いますが、「任意の枚数を1枚の画像に合成しながら撮影します」となります。

これも、先に説明した「連続撮影」と基本的には同じことをしますが、これを1枚の画像に合成するために、明るすぎたりしないように露出などの補正がかかります。

教科書に使った「クイックハンドブック」では、1台の車を前からと後ろからとったものを、1枚の写真の左右に配置したものが紹介されています。フルサイズのカメラでは、連続撮影と組み合わせてゴルフのスイングや球技のシュートの場面などが1枚の写真の中に連続して納められるものもあるようです。

PENTAX Qでは、背面のMENUボタンから、カメラマークの設定項目の2番にあります。撮影回数は最大9回までですが、上のような連続撮影との組合せはできないようです。

・インターバル(撮影)

インターバル撮影はある種の連続撮影といっていいものですが、撮影間隔を1秒以上開けて、5秒から99時間の間撮影し続けるものです。

PENTAX Qの場合はやはり背面のMENUボタンから、カメラマークの設定項目の2番にあり、間隔は1秒から1時間の間で1秒単位で24時間まで、枚数は2枚から、スタートを即時か指定の時間に設定できます。

デジタルフィルター

デジタル一眼レフでは撮影する(した)画像に意図的な効果を与えるのに、幾つかのパターン「デジタルフィルター」が予め用意されています。

PENTAX Qでは19のデジタルフィルターがありますが、そのうち11種類までが撮影時に利用できます。同じようなテーマの写真をたくさん撮りたいときに、後で個別に効果をかけるよりも、フィルター設定で撮った方が楽ですね。

大きくは
・ホワイトバランスや彩色によるカスタムイメージ
・写真のイメージを変えるデジタルフィルター
があります。

カスタムイメージについては、記事「愛機PENTAX Qを使いこなす1:光と色の基本を学ぶ」で取り上げました。今回は、デジタルフィルターについて学習します。

PENTAX Qの場合、デジタルフィルターはなんと19種類もあります。

①モノトーン 白黒写真風の淡色の画像に加工、赤・青・緑・赤外調有
②トイカメラ トイカメラ風に加工、シェーディング/ボカシ/ブレイク
③ハイコントラスト コントラストを強化
④シェーディング 周辺を暗く
⑤スリム 画像の縦横比の変更
⑥HDR 疑似的にハイダイナミックレンジに加工
⑦ネガポジ反転 画像の白黒を反転
⑧色抽出 特定の2色だけを抽出し、他を白黒加工、抽出色1/2・感度
⑨カラー 選択色のカラーフィルター、18種類(6色x3段)
⑩水彩画 絵具で書いたように加工、強度(強中弱)、彩度
⑪ポスタリゼーション 諧調を落として手書きの雰囲気に、強度1~5
⑫フィッシュアイ 魚眼レンズ風に加工、強度(強中弱)
⑬レトロ 古い写真風に加工、調色7段階、縁取り無し~3段階
⑭ソフト 全体をぼかした様に柔らかく、ソフトフォーカス、シャドー
⑮デッサン 鉛筆で下書きしたような画像に加工
⑯ミニチュア ボケ具合操作でミニチュア風、芯位置/幅/角度/ボカシ
⑰フレーム 縁取り、フレームタイプ3通り/幅3通り
⑱トゥインクル 夜景や水面の光の輝きなどハイライト部に光条を表現
⑲ベースメイク 明るさ/彩度/色相/コントラスト/シャープネス任意設定

PENTAX Qでは再生モードの時に、加工したい画像を表示した状態で背面の「WB」(ホワイトバランス)ボタンを押すと、フィルターのアイコンが出てきて、さらに上の19種類のデジタルフィルターが選択できます。

さらに保存前に「+/-」ボタンを押してパラメータを変更したり、複数のフィルター効果を重ねたりできます。

ストロボ(フラッシュ)

PENTAX Qにはポップアップ式の内臓ストロボがついていて、内臓のままの状態、ポップアップした状態のどちらでも使えます。(背面のMENUボタンからC2項目で設定。)ズームレンズを広角で撮影する際、フードを利用するには、陰にならないよう/最小になるよう(いわゆるケラレにならないよう)にポップアップがいいですね。

さらに、別体式のより光量の多い本格的なものも取り付け可能です。

残念ながら魚眼レンズはその性質(撮影範囲が広い)上、ポップアップでも防げないようです。

デジタルカメラになってある程度はISO感度で調整したり、ホワイトバランスで調整したりが容易になりましたが、やはり暗い場所で人物などの対象をしっかり撮るには強い味方になります。

PENTAX Qのストロボ撮影には4つ(発光禁止を含めると5つ)のモードがあります。

①P-TTL 専用の機能を持つストロボで、試し発光を計測して本発光させる
②赤目軽減 2重発光で人物撮影時の「「赤目」を低減させる
③スローシンクロ ストロボ光が届かない背景をスローシャッターで明るくする
④後幕シンクロ スローシンクロに近い状態で、シャッターを閉じる直前に発光

ちなみに逆光や日中の人物撮影などで顔に影ができてしまう場合にも、ストロボを強制発光することでキレイに撮ることができます。光量も自動/強制発光の設定時にダイヤルで調整できます。

スマートエフェクト

PENTAX Qでは、「カスタムイメージ」と「デジタルフィルター」の延長で、9つの予め設定された効果と、3つの任意の効果を設定して利用できます。

①極彩・・・彩度を極端に高めた華やかで印象的な仕上がり
②ソリッドモノカラー・・・ハイコントラストで特定の色だけを抽出して強調
③Auto110・・・トイカメラモード以上にかつての超小型フィルムカメラ風に
④クロスプロセス・・・カラーフィルムのイレギュラーな現像風の仕上がり
⑤さくらほのか・・・低コントラストかつピンク系のホワイトバランスで柔らかに
⑥ドラマチックアート・・・HDRモードを強めたアート調
⑦ハードモノクローム・・・露出アンダー、シャープネス強調の硬調のモノクロ風
⑧水彩画・・・淡い水彩画風の仕上がり
⑨あでみやび・・・コントラストを上げたつややかな雰囲気の仕上がり
⑩USER1~3 ・・・好みの設定が可能

スマートエフェクトはカメラ前面のクイックダイヤルの1から4に予め設定しておき(購入時にも設定されてます)その名の通り、ダイヤルを回すだけで呼び出して使えます。

1から4の各番号に登録する内容は背面のMENUボタンからカメラマークの設定3のところで「クイックダイヤル」で設定します。
この際、①スマートエフェクトのほかに②「カスタムイメージ」③「デジタルフィルター」④「アスペクト比」の4項目の中からどれか一つの項目を選び、設定することになります。

まとめ

今回は撮影の基本的な操作を主眼に学習してきました。

PENTAX Qにはその小さなボディーに似合わず、ここで紹介した以外にも、撮影後に写真を編集する機能や画像管理(フォルダー管理やプロテクト)、撮影時にもノイズ削減や手振れ防止、歪曲補正など、まだまだ豊富な機能があります。

また8本のレンズが製品化され、現時点では5本が販売されていますが、「コンバーター」を使うことで、同じペンタックスのKマウントレンズをはじめ、フルサイズのデジタル一眼レフ用のレンズを幅広く使うこともできます。

機会があればまた違った視点からも纏めてみたいと思いますが、今回はこの「便利な操作を学ぶ」事で、デジタル一眼レフのもつ基本性能を活用する事を学習して終わりたいと思います。